住宅営業の初級資格「住宅販売士補」試験実施へ

全国住宅営業認定協会は11月4日、住宅営業未経験者や1年未満の営業経験者を対象とした資格「住宅販売士補」の試験を実施する。同協会では、経験1年以上の住宅営業担当者を対象とした資格「住宅販売士」を取り扱っているが、今回の住宅販売士補はその初級資格に位置づけられるもの。法令・建築・ファイナンスのほか、倫理観といった総合的な最低限の知識の習得が目的だ。注文・戸建て住宅の営業を対象にしている。試験会場は東京、名古屋など全国6会場。マークシートによる4肢択一式(50問)で、合格率は75%程度を想定している。受験料は8800円(税込)。申し込み締め切りは10月5日。【住宅新報WEB:2012/8/22】

【独り言】
住宅営業マンに必要資格はなく誰でもその仕事に就くことができる。住宅営業マンにも建築士あるいは宅建主任者といった、ある意味『公』の資格者も中にはいるが、持っていなくても仕事をするには支障がない。住宅営業マンを「家づくりパートナー」と呼び、パートナー選びが家づくりを左右するともいわれる。が、選ぶといっても何の指標もなく、どうやって出会い、どうやって選別したらよいのか、一般の建て主にはまったくわらない。ハウスメーカーでは個別の教育プログラムがあり、入社時から経験年数ごとに研修が繰り返され、そこでスキルアップを図る仕組みがある。小規模な工務店にしても、世の中にはさまざまな研修やセミナーが開催されていて、そういう機会の利用者も増えているようだ。家づくりに『営業マン』は必要なのだろうか?いい家をつくり、購入するために『営業マン』は欠かせない存在なのだろうか?いまも昔も巷で行われている営業マン研修の内容は、いかにして自社の家を“売る”かがメインであって、施主にとってのいい家づくりには直接結びつかないものが大半。営業マンとは自社の商品・サービスを売ることが仕事なのだから当たり前といえば当たり前。結果として、彼ら彼女たちの販売力が上がれば上がるほど、施主には役に立たない、鬱陶しい存在になってしまう可能性が高くなる。例えば家電量販店のテレビ売り場を思い浮かべればよくわかる。希望する予算、サイズ、機能を伝えて、その条件の中でベストの商品選びを手伝って欲しいときに、自分の担当する特定メーカーの商品ばかりを売り込みされたのでは閉口してしまう。しかし、どのメーカーでも扱うことが可能で、すべての商品に対し十分な知識を持った担当者がいる店舗では、非常に満足のいく買い物をすることができる。これからは住宅業界においても、ハウスメーカーや工務店は売り込みせずに、あくまでも『つくり手』に徹し、プロデュース能力・コーディネート能力をもつ中立的立場の人間が施主や買主の家づくりをサポートするカタチが求められていくと思う。

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