Q:建築現場のチェックポイントを教えてください。

はじめまして。■■市の●●と申します。これから着工を控えての質問なんですが、できるだけ時間を見つけて工事中の現場を見てみたいと思っています。会社を信頼していないわけではないのですが、あとあと後悔しないように見ておきたいと思っています。建築はまったくのド素人なんですが、どんな点に注意すれば良いのか建築現場のチェックポイントを教えてください。どうぞ宜しくお願いします。



A:回答

建築現場チェック時の7つ道具

建築工事がスタートすると、現場を訪れるたびにだんだん我が家のカタチができ上がっていくのでワクワクするものです。工事中はハウスメーカー、工務店の現場監督が現場をチェック・コントロールしながら完成まで担当します。

最近は●●さんのように、建築主自身でも休みなどを利用して現場に足を運び、現場をチェックしようとする方が増えています。とてもいいことだと思います。

ただ気をつけていただきたいことがあります。平日の場合には現場が動いている時間(作業中)は極力避けたほうがいいでしょう。作業をしている職人の邪魔になったり、電動工具などの危険もあります。したがって、できれば12時~1時の昼休み、10時と3時の30分程度の休憩時間が狙い目ではないかと思います。

■建築現場チェック時の7つ道具
7つ道具
準備・使用上のポイント
サンプル
1.スリッパ
(上履き用靴)
工事中の現場にはスリッパを持参します。現場によっては階段が未完成でハシゴの登り降りが必要なケースもあるので、スニーカー(靴底をきれいにしたもの)などが動きやすいでしょう。 スリッパの画像
2.手袋 軍手でもOKです。現場にはいろいろな材料が置いてあります。現場をチェックする際に材料を持ち上げたりして手を傷つけないためにも手袋の着用をおすすめします。品番の確認時などホコリをパッパッと払ったりするときにも役立ちます。 手袋の画像
3.デジカメ
専用のデジカメで、1~2万円程度のものであれば十分です。フィルムとは違ってデジタルですからドンドン撮影します。携帯やスマートフォンのカメラでもOKですが、画素数が少ないデータでは後で見直した時に細かな部分がわかりません。使い勝手も専用機のほうがいいでしょう。 デジカメの画像
4.コンベックス
(メジャー・スケール)
メジャーとかスケールともいいます。実際の現場をみると図面では把握できなかった部分がわかります。図面と現場を見比べながら気になる箇所があれば寸法を測り、変更を希望する場合には、手遅れにならないよう速やかに現場監督と相談しましょう。 コンベックスの画像
5.水準器
(レベル)
レベルともいいます。床や手摺など、水平でなければならない箇所をチェックします。チェックの結果、もしも不具合箇所があれば速やかに現場監督に伝えて、対処してもらいましょう。 水準器の画像
6.図面
配置図・平面図・立面図・矩計図・仕様書など、ハウスメーカーや工務店からもらっている図面を持参して、必ず図面と照らし合わせながらチェックするようにしましょう。手ぶらで見ただけでは、ただ雰囲気を感じただけで終わってしまいます。 提案書類の画像
7.マスク 建築現場、特に室内はとても埃っぽい空間です。たとえアレルギーや鼻炎のない方でもマスクを着用することをおすすめします。 マスクの画像


建築現場チェックのポイント

工程 ポイント
1.地縄張り
(配置・地盤面の高さの決定)
・敷地内での配置をチェック(後からは動かせない)
・隣地境界からの距離(通り抜け可能か・隣家の窓の位置・給湯器等の位置)
・駐車スペース(問題なく車の出し入れが可能か)
・地盤面の高さ(道路、隣地と比べてどうか)
2.上棟(棟上げ・建て方)
・構造材の状態(反り・ひび・割れなど)
・合板類の状態(はがれ・ひび・割れなど)
・ホールダウン金物の位置(所定の位置にあるか)
3.断熱工事 ・断熱材の種類(契約通りか)
・断熱施工(隙間が生じていないか)
4.外部建具
(玄関ドア・サッシ)
・商品(型番・色などに間違いはないか)
・吊元(開き勝手に間違いはないか)
・ガラス(契約通りか)
・傷(傷や凹みなどはないか)
5.内部造作 ・壁下地(石膏ボードに隙間が生じていないか・釘の間隔はどうか)
・電気配線(コンセント・スイッチ類の位置に問題はないか)
・床材・内部建具(商品・品番・吊元などに間違いはないか)
・養生(床などの養生がしっかりなされているか)
6.設備機器
(システムキッチンなど)
・機種(品番・色などに間違いはないか)
・設置位置(図面通りか)
7.仕上げ
(内装など)
・クロス(品番・色・柄などに間違いはないか)
・漆喰等塗り壁(打ち合わせ通りの仕上げ方法か)
8.その他 ・材料置き場(雨に濡れていないか)
・吸殻入れ(タバコのポイ捨てがないか)
・床下(ゴミが放置されていないか)
・近隣(道路や隣家にゴミが飛んでいないか・違法駐車など)

一般の建築主が技術的な部分をチェックすることはなかなか難しいことですが、上の表にあげたポイントなら図面を片手にチェックが可能だと思います。もしもチェックしておかしな箇所があればすぐに現場監督に確認してください。現場監督が不在の場合は、該当箇所の写真を撮影しておいて、できるだけ速やかに連絡を取るようにしましょう。

建物本体とは関係ありませんが8番目「その他」はとても重要です。現場の人間にとっては常識が(慣れっこ・気づかない)、一般人にとっては耐え切れない非常識になることもあります。ゴミの飛散や騒音(日祝日や夜間の作業)、前面道路への違法駐車など、自分の家の新築工事が近隣の方々にストレスを与えることになってしまっては入居後の人間関係に大きく影響を与えます。気になることは遠慮せずに必ず現場監督に伝えて改善してもらうようにしましょう。

※参考:家づくりのQ&A「家の引渡し時に注意するポイントはありますか?」への回答はこちら

⇒家づくりのQ&Aへ






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