楽天、95万円から家庭用太陽光パネル“価格破壊”に拍車

楽天は9日、家庭用太陽光発電パネルの販売を17日から始めると発表した。仕入れや見積もりなどを一括して行い、ネット専売とすることで、国産パネルで95万円からと「実勢価格の半額」(佐治公敏グリーンエネルギー事業副事業長)を実現し、“価格破壊”に拍車をかける。新たに立ち上げる「楽天ソーラー」のホームページに住所を入力。米グーグルの地図サービスを利用した屋根の衛星写真を参考に、見積もりを計算する。楽天が提携する「日本エコシステム」がシャープ製パネルの販売と施工を行う。工事費用など一式で、2.775キロワット95万円、3.33キロワット115万5000円など。楽天によると、3.33キロワットモデルで従来の約半分の9年で初期費用を回収できるという。5月末からネットで実施している事前申し込みは、すでに2000件を超えているという。また、NTTスマイルエナジーと提携し、配電盤に設置してネット上で電力使用量や太陽光発電量を確認できるセンサーもセットで提供する。会見した楽天の高橋理人常務執行役員は「太陽光パネルは販売店で見ても効果がわからないので、ネット販売向きだ」と自信を見せた。今後は太陽光発電の電力を貯める蓄電池の販売も検討するという。格安の太陽光発電システムをめぐっては、ヤマダ電機が3月から韓国製パネルを使い、施工費用など込みで3.84キロワット153万円で販売を開始している。また、一条工務店(東京都江東区)は、システムの導入費用を金利1%で肩代わりし、導入後に1キロワット時当たり42円の売電価格で返済していく仕組みを採用し、初期費用0円で太陽光パネル付きの新築住宅を建てる事業を展開している。【SankeiBiz:2012/7/10】

【独り言】
原発問題で窮地に立たされている電力業界。太陽光発電に限らず、今後の日本のエネルギー関連市場は、間違いなく異業種参入が加速していくだろう。これまでどんなに知恵と技術をもっていても、発送電分離のない中途半端な「自由化」の下では、巨大な地域独占組織に対抗できる企業の出現は期待できなかったわけで、幸か不幸か、昨年の東日本大震災は、日本のエネルギー業界に大きな「うねり」をもたらす契機になったと思う。明治期の文明開化は「なんでもかんでも西洋化」という、ある意味病的な風潮を巻き起こしといわれるが、この機会に文明開化のときのようなパワーで、スピーディで思い切った国家的改革、「エネルギー維新」を実現させて欲しい。

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