Q:現場見学会のポイントはありますか?
はじめまして。家づくりを計画中の●●と申します。現在プレハブ2社、地場2社に絞ってプランニングをお願いしているところです。予算は低く望みは高いので営業担当の方々を悩ませています(笑)今月中には4社から見積りをいただけるということなので、具体的に各社の現場を見ておこうと主人と話しています。せっかく行くので無駄にならない見学をしたいと思いますが、現場見学会のポイントはありますか?教えていただければ大変嬉しく思います。A:回答
【ポイント】1.現場見学時の7つ道具
2.現実のイメージをつかむ
3.現場をみせない業者は信用できない
4.見学の際の注意点
5.100回の説明を聞くよりも1回の現場見学会
『現場見学時の7つ道具』
イベントとして開催される現場見学会の場合には、ハウスメーカー側で用意しているものもありますが、個別に現場案内を受ける場合には次にあげる7つ道具を参考に必要なものを持参して充実した見学にしましょう。
それからとても大事な注意ポイントがあります。小学生未満のお子さんはできるだけ現場見学にはご一緒なさらないほうがいいと思います。小さなお子さんですから見学の途中でぐずってしまったり、走り回って床や壁にキズをつけたり、何より工事途中の現場はお子さんにとって危険がいっぱいです。せっかくの機会なのでご家族やお友達に預かってもらうなど集中して見学ができる予定を組むようにしましょう。
■現場見学時の7つ道具
1.スリッパ (上履き用靴) |
工事中の現場にはスリッパを持参します。現場によっては階段が未完成でハシゴの登り降りが必要なケースもあるので、スニーカー(靴底をきれいにしたもの)などが動きやすいでしょう。また完成現場の場合には素足でベタベタ歩くのは厳禁です。靴下を持参しましょう。 | |
2.手袋 (白手袋) |
選挙の候補者が着用しているタイプの手袋を用意しましょう。窓のサッシを開けてみたり、システムキッチンやユニットバスなどに触れることがあると思います。工事中といえども他人様のお宅を見学させてもらっていることへの配慮はとても大切です。 | |
3.デジカメ |
携帯やスマートフォンのカメラでも大丈夫ですが、やはり専用のデジカメのほうが使いやすいと思います。1~2万円程度のものであれば十分です。注意が必要なのは写真撮影の許可を得ることです。他人様のお宅です。撮影する前には必ず営業マンに確認するようにしましょう。 | |
4.コンベックス (メジャー・スケール) |
メジャーとかスケールともいいます。実際の現場をみると図面では把握できなかった部分がわかります。自分のプランと現場を見比べながら気になる箇所があれば寸法を測らせてもらいます。その際には床や壁、住設機器などに傷をつけないように十分に気をつけましょう。 | |
5.コンパス (方位磁石) |
建物の配置がどういった方位になっているのかはとても重要なポイントです。見学する建物の方位を測ってみましょう。季節や時間帯を頭において陽当り、通風などを確認します。窓のとり方、部屋の配置などがプランニングの際に参考になるはずです。 | |
6.提案資料 |
すでに提案を受けた資料があれば持参しましょう。部屋の大きさ、窓の位置、各部の仕様仕上げ、住設機器のグレードなどを実際に目で比較しながら見学すると提案内容がよく理解できるはずです。もしも不明な箇所があればその都度営業マンに質問して納得することが大切です。 | |
7.カタログ (外壁・建具・住設機器) |
提案を受けている内容と見学現場との違いをみます。例えば外壁、玄関ドアやサッシ、システムキッチンなどです。違うメーカーの製品であったり、メーカーは同じでもグレードが異なることもあります。気になるものは営業マンに性能差や価格差などを確認しましょう。 |
『現実のイメージをつかむ』
現場見学会は業者選びにおけるキーポイントです。
インターネットや雑誌、カタログ等で業者の発信する情報は、自社の自慢や他社に対する優位性の羅列ばかりで、自社の不利になる情報にお目にかかることはありません。つまりすべて広告宣伝にすぎないわけです。
またモデルハウスは、プロによって完璧にお化粧され、一流のデザイナー、スタイリストが選んだ最高の衣装とアクセサリーで着飾られたファッションモデルのようなものです。したがって現実的な家づくりを計画する場合は、できるだけイメージする家と同規模・同予算の現場をみなければ本質に触れることはできません。
業者にとっては隠したくても隠せないのが現場です。ありのままの姿をさらけ出した現場で現実のイメージをつかむことが大切です。
『現場をみせない業者は信用できない』
現在商談中であればぜひ現場案内を申し出てください。なんだかんだと言い訳を並べ、現場をみせたがらない業者はあっさり検討先から外すくらいの覚悟で臨むべきです。
素顔をみせない相手と結婚する人は少ないはずです。素顔とは外見だけを言っているのではなく本質のこと。家づくりにおいて本質を知るには現場をみるのが一番です。
クルマは試乗、洋服は試着をします。しかし家は試すことができません。近ごろは体験入居型のモデルハウスが登場していますが、業者ご自慢のモデルハウスに一泊したからといって、どこまで本質に触れることができるのかは疑問です。だからこそ納得いくまで現場を確認することが必要になります。
『見学の際の注意点』
基礎、構造材、補強金物、断熱施工など完成すると隠れてしまう部分をしっかり確認しておきます。最近の家は、完成してしまうとどこの業者の家なのか、プロの目でも判別がつかないこともありますからね。
見学会場では、接客担当者に次のような質問をなげかけてみます。
1.なぜこの材料を使用したのか?
2.なぜこの工法を選択したのか?
3.家の規模と総額はいくらか?
気になる箇所は遠慮なく質問します。
曖昧な回答やはぐらかすような説明、面倒臭さがられたりした場合は要注意です。見学会の責任者を探し同様の対応しか得られない場合は会社としての信頼性が低いと判断してもいいかと思います。
そして現場の整理整頓もチェックします。
1.材料置き場(雨に濡れていないか)
2.ゴミ箱(ムダな廃材がないか・空き缶が投げ捨てられていないか)
3.吸殻入れ(タバコの投げ捨てがないか)
4.床下(ゴミが放置されていないか)
5.養生(仕上材にきちんと養生ができているか)
6.近隣(前面道路や隣家にゴミが飛んでいないか)
会社の規模など関係ありません。整理整頓は子供でさえひと目で善悪がわかることです。それすらできない会社に家づくりを任せると商談中、工事中、入居後、いつトラブルが発生し大変な迷惑を被るとも限りません。一事が万事です。
『100回の説明を聞くよりも1回の現場見学会』
業者を決める前には必ず現場を見学することです。
それもできるだけ「工事中」と「完成済み・引渡し前」の2種類の現場を見学します。工事中で素顔を、そして完成済みで仕上げを確認しましょう。
そしてどんな些細なことでも疑問点はドンドン質問しましょう。
もし面倒臭がられたらどんなに立派にみえる現場でも、その業者はリストから抹消するくらいの気持ちが大事です。
100回の説明を聞くよりも1回の現場見学会が成功への近道です。
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