Q:予算オーバーへの対処法があれば教えてくださいますか。
こんにちは。■■と申します。一戸建ての注文住宅を計画中で1社に絞り詰めの交渉を行なっているんですが、ここにきて予算オーバーが問題です。私たちの希望する金額とは約200万円のオーバーです。すでに150万円を値引きしているのでこれ以上の値引きはできないそうです。住宅ローンを増額しても払えないわけではなく無理ではないんですけど何となく歯止めが効かなくなるんじゃないかと心配しています。できれば予算内に収めたいと思います。何か予算オーバーへの対処法があれば教えてくださいますか。どうぞ宜しくお願い致します。A:回答
『予算オーバーになったら一旦立ち止まる』
一戸建て注文住宅の計画では当初の予算をオーバーすることは珍しくありません。
念願のマイホームづくりです。まだ実際に支払いが発生していない計画段階では、あれこれと要望を詰め込んでいくから当然のことです。ハウスメーカーや工務店側も「一生に一回の家づくり」「言うだけならタダ」と、お客さんの膨らんだ高ぶる気持ちを萎ませないように仕掛けます。
確かに最初から予算ありきで「あれダメこれダメ」ばかりでは、一体何のための家づくりなのかわからなくなります。まずは家族ひとり一人の希望や夢をできる限り網羅した計画案を立ててみることからスタートしたらいいと思います。
ではその結果、予算オーバーになった場合はどうしたらいいのか。
多少のムリをすれば何とかなる範囲内ならいいのですが、当初の予算を大幅に超える場合はやはり立ち止まっての検討が必要です。どの程度のオーバーが許容範囲なのかは家庭の事情で異なります。勢いだけで突き進まず、夫婦、家族できちんと話し合いましょう。
営業マンは電卓を片手にこんなことを言うかもしれません。
「借入を100万円増額で月々の返済が3800円増えるだけ。一日当たりわずか126円。缶コーヒー1本分で夢が実現します。」
保険のCMみたいな説明に思わずその気になりそうです。
でも冷静に計算すると【毎月3800円×12か月×35年=159万6千円】とてもわずかな金額とは思えません。
『優先順位を考え仕分けを行う』
では具体的な対処法をみていきましょう。
■住設機器の選定を見直す
システムキッチン、ユニットバス、洗面台が高額な住設機器です。中でもシステムキッチンは、どこのメーカーのどのグレードの商品を選ぶかで大きな金額差が生じます。
扉の面材やデザインにこだわる必要性があるのかどうか。メーカーやグレードなど提案を受けた以外にもっとコストパフォーマンスの高い選択肢はないのかどうか。必ず実物をみて価格差を確認しながら選定してください。
それからエコキュート、エネファームといった給湯機器や太陽光発電システムも見直しの対象です。本当に我が家のライフスタイルに必要なものなのか、メリットがあるのかしっかり検討してください。
最新機器の中にはほとんど使用することのない機能がくっついていたりもします。そういうムダが計画の中に隠れていないかチェックしてみることも大切です。
世間の流行に左右される必要はありません。自分たちだけで判断できない時は専門業者にシミュレーションを依頼した上で導入の可否を判断するようにしましょう。電力会社やガス会社、住設機器メーカーは様々な無料相談に応じてくれます。
■内外部の仕様の選定を見直す
内壁や外壁の素材は、それ自体の単価は安くても使用する面積が大きいので合計すると大きな金額になります。
気になる素材があればカタログやカットサンプルだけでなく、実際に使用された現場をみて判断してください。ショールームの照明下で選んだ高価な外壁材も、屋外で使用された建物を見てみたらイメージとまったく異なっていたというケースもよくあることです。
■材種の選定を見直す
工務店などの在来木造業者との家づくりなら、柱や梁など構造材の材種(桧や杉など)や等級を見直してもいいでしょう。構造材は木の種類や節の有り無しでも金額が大きく変わります。
また木材の産地にまでこだわる方がいらっしゃいます。ブランド材です。果たしてそれが優先すべきものなのかよく検討したいものです。
■建物規模を見直す
建物規模が小さくなれば大抵の場合はコストダウンに繋がります。ただし必要な部屋を無くしてしまったり狭くしたりすることで結果的に不満が生じたのでは元も子もありません。
設計担当者と一緒に希望する住まい方、ライフスタイルや将来計画をトコトン話し合い、ムダの無いプランニングの見直しをしてもらうようにしましょう。
よく「もったいないから容積率ギリギリまで建てたい」という声を聞きますが、不必要な規模の家にかけるお金のほうがよっぽどもったいないことだと思います。
予算オーバーへの対処法は家づくりの優先順位を決め仕分けをすることです。家族会議を開いて何を優先すべきかを考え計画の中身を見直していけば必ず実現できます。
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